高等部:1月号学園長ブログ(新春特別編集号)-6-3

2024年1月29日

6、発達障害がある生徒の勉強に関するつまずきについて(3)

(3)試験前の勉強方法
(2)までの内容を踏まえて、自然学園では試験対策を行っています。試験問題はレポートからの出題がほとんどのため、教科担当の先生が冬休み前にレポートをコピーしてテスト勉強用に手渡してくれたはずです。1月の授業では、出題が予想されるレポート問題をさらにピックアップして作成した後期試験の予想問題を準備して生徒に取り組ませるので、試験勉強を計画的にやりさえすれば試験本番も得点が取れます。

書くことが苦手な生徒は勉強の工夫をしてください。視覚的な認知に凸凹があり、書いて覚えたり、読んで覚えたりすることが苦手な人は、レポートを眺めていても飽きてしまい、覚えることができないでしょう。試験前に配されたレポート課題や、試験直前の授業で配布された予想問題をパソコンでまとめ、文字に色付けしたり、イラストや写真を添付したりしながら、スクリーンで視覚情報として流す、または、音声機能を使って入力した文字を音声で繰り返し聞くことで、より楽に学習でき、効果的に覚えやすくなるはずです。凸凹があるなら、その凸凹の特性を応用したLD(SLD)傾向の人に合った学習方法があるはずです。

目の前の次にできることを目標に置いて、努力してできるようにすることが自然学園でも実践しているスモールステップの学力アップメソッドです。

普段の勉強で学習計画を立てる時は、今自分がつまずいているところからもう一歩で手が届きそうな課題にチャレンジできるような目標を立てることが大切です。そうしていけば、課題ができた喜び、達成感を経験させていくことができるでしょう。できないことでの失望感より成功体験が上回ることによって次のステップに向かう好奇心や学習意欲が出てきます。

そして、人は褒められることで自尊心が満たされ、そこで得た自信が向上心につながって行くものなのです。最初は凸凹の凸のスキルで解法が見つけられるような課題を選んであげることから始めることが重要なのです。

褒められることが少ないお子様方は、なによりも褒められたい欲求で満ち溢れています。そのためにはワーキンングメモリをはじめとした「できない理由」を把握することが大切です。そこからでないと有効な学習支援は実践できません。今まで自然学園の授業を受けてきた高等部の生徒の皆さん方なら必ず試験に向かい合い、その答えが導き出せるはずです。精一杯頑張ってください。

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