高等部:1月号学園長ブログ(新春特別編集号)-7

2024年1月30日

7、おわりに

2学期は学校行事や企業実習も重なり、特に9月から11月の気候の変動が激しい時期には心身の不調を感じやすい時期です。イライラすると聴覚的な過敏さが強くなったり、衝動性が強くなったりと人間関係のトラブルが起きやすい時期でもあります。不安から自己肯定感が低くなり落ち込みやすく、自傷行為や引きこもりなど内省的になりがちな時期でもあります。生徒の大半は意欲的に2学期を送り、人間的にも成長できた人が多かったように思いますが、落ち着きがなくなり人間関係のトラブルが生じた事例もありました。

3学期はスキー教室をはじめ従来の学校行事を予定通り実施するつもりです。入学時にご説明した通り、高等部の生徒ならば学校行事は基本的には必修行事になります。自然学園の学校生活や授業を通じて学んできたソーシャルスキルを実践として汎化(はんか)できる場面が学校行事になります。このようなカリキュラムを通じて企業実習だけでなく日常の場面でも学んだソーシャルスキルトレーニングの第一歩です。

後期試験は、授業を通して身に付けた学習習慣が継続できるように、できるところ、やれる量を計りながら、無理せず、計画的に、少しずつスモールステップで勉強を進めてもらいたいと思っています。それが継続できれば、誰もが「こんなことができるようになったんだ」、「今までできなかった問題が解けるようになった」と実感できるように必ずなるでしょう。

彼らが学校や社会に適応するための第一歩は、周りから受け入れてもらおうとする意志力だと私は思っています。その意志力は、先述したような少しずつの自信の積み重ね、言い換えれば、成功体験の積み重ねから生まれるものです。このことを続ければ教科書やレポートの問題も必ず解けるようになることでしょう。大切なことは、どうせできないからやってもしょうがないと言う気持ちを持たないことです。そして自信を持って、今できることを一つひとつ積み重ねてください。

自然学園学園長 小林 浩

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