高等部:2月号学園長ブログ-4

2024年2月21日

4、自然学園高等部の特別支援教育について

自然学園では、「自分には何が向いていて、何ができるのか」、「働くことの意義はなにか」、「働くとは具体的にはどういうことなのか」について、企業見学会や企業実習を学習カリキュラムに組み入れることで具体的に考えさせ、自分なりの答えが導き出せるような3学年を通した継続的なキャリア教育の推進を目指しています。

企業実習で働くことの意義が理解できたら、その後どのような目標をもって3年間過ごしていくかがキャリア学習のポイントになります。一つずつ習得しなければいけない課題をクリアするにつれて、自分の目標がはっきりするはずです。その積み重ねが、就労スキルを育み、就労を前提とした企業実習での働きにつながります。実習で企業が求める人材として認められれば、就労の実現にまた一歩近付きます。このように、各学年の時間割には、一人ひとりの将来的な自立を考えた実践的なカリキュラムを導入しています。夏休みの企業見学会はその内の一つです。

時間割をさらに詳しく見ていくと、金銭管理や作業訓練など、実際の企業で要求されるPCの活用も含めた作業スキルの修得や、実社会で必要とされる日常マナー、金銭管理の習得などを目指しています。社会に参加するうえで、敬語や正しい言葉遣いは必ず必要になります。そして、特例子会社であっても業務依頼や指示に対する正確な返答や、ある程度のコミュニケーションスキルは必要不可欠な、勤務する上での条件として提示されてくるでしょう。それが身に付いていなければ、就労することは夢のまた夢です。

これらに加えて、問題解決技能訓練を前提として、就労の際にイレギュラーな問題事項やアクシデントが生じた場合に、慌てずに、的確な伝達ルートに従って、責任ある立場の職員に正確かつ迅速に報告することができ、柔軟な発想力で問題から生じる被害を最小限度に収拾できる判断力や、未然に防ぐ対応力を養うSST(ソーシャル・スキル・トレーニング)を導入しました。まさしく働く上で必要になる実践力、ビジネススキルのマスターにつながる授業です。

このようなキャリア学習授業と並行するように企業での実習や、それに基づく事前指導や振り返りなどを計画的に取り入れ、企業に要求されるスキルを、体験を通して理解し、行動として実践する機会を設けることで、企業や社会が受け入れてくれる人材の育成を自然学園はキャリア教育の目標としています。もちろん個々の特性やスキル、将来的な進路希望に配慮することは言うまでもありません。

 実習を予定している生徒には、実習前に指示の受け方や日常のあいさつ、報告・連絡・相談、いわゆる『ほうれんそう』の重要性などを徹底的に教えて送り出します。本当の理解や、職場でそのことが実践できるようになるには、現場での体験を通して体で覚えていくほかないのだと思います。そのために必要なグループワークやロールプレイなど、職場で経験すると思われる就労体験を授業に取り入れ、実践に備えたプログラムで職場に適応できる力をつけていくのです。

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