[高等部通信9月号]学園長より~可能性の扉~4

2020年10月5日

4、夏休み企業見学会

自然学園高等部の夏休みは企業見学会がありました。2年生、3年生は企業の体験就労を経験している人たちもいます。高等部の生徒の皆様にとって、自分の一生を変えるほどの貴重な経験になったのではないかと思っています。

自然学園は発達のつまずきがある子どもたちが就労に移行できるための学力や社会性を養うための教育を受ける場であり、働くことを目標としたビジネスマナーや実際の就労として求められる軽作業や事務作業を実践を踏まえて学んでいくことのできる学校です。

自立を目的にした継続的な支援で「働くための力」を育むことに主眼を置いています。就職について考えたときに、「人とのコミュニケーションが苦手である」「指示が重なると混乱してしまう」「継続して職場にいることに不安を感じる」など働くことに対して不安ばかりが先行して緊張が高まり具体的なイメージが湧かない人が多いと思います。

そのような人たちが多い中で、高等部ではキャリア学習および就労支援の一環として高等部1年生、2年生そして就労希望の3年生の生徒が例年通り夏休みを利用した企業の見学会を行っています。学校とは全く違う環境での大人の人たちの労働している実際の姿、その真剣なまなざしを見ることができただけでも2学期からの授業に大きく影響することになると思っています。

2、3年生の皆さんはその姿に自分を重ねて就労に対してより深く考えることができたのではないでしょうか。この経験が将来の就労、またこれから経験する就労体験実習に必ず結び付き自分の特性に合った仕事選びに役立つことと思います。

1、2年生の人たちも異なった業種の職場見学を行うことで、「自分ならこんなことならできるかもしれない」「こんなことならぜひやってみたいな」という気持ちを少しでも感じることができれば今まで以上に選択授業を意欲的に受けることができるでしょう。

また見学をした中で、社員の方々のお話をお聞きする機会に恵まれ、会社が求めている人材とはどのようなことができなければいけないのか、またどんな人が、職場では一番困る人なのか、共通した企業の考えを教えていただくことができました。コロナ禍で感染防止対策に気を遣いながらこのような場を提供していただいた企業の皆様方に深く感謝しています。

企業が求めるスキルに今の自分がどのくらい近づいているのかをこの機会にぜひ考えてみてください。そして将来の目標を立てて、その目標に到達するにはどのような計画を立てれば良いか少しでも考える機会になれば今回の見学会は大成功です。

実際の職場を見て、そこで汗を流して働いている人に接して、自分がもし働くとしたら、今の自分には何が足りないのかを確認できることが、キャリア学習を授業で学ぶことの原点になります。

体験就労を経験している人たちの仕事内容は企業によって違いますが、それぞれの仕事に慣れないながらも一生懸命取り組んでくれているようです。働くことの「楽しさ」や「やりがい」を実感できた生徒も少なくないようです

この夏の努力の結果と秋からのもうひと踏ん張りが就労に結び付くことを信じています。ゴールに向かって歯を食いしばって頑張りましょう。全力で支援していきます。

本校の卒業生の実績が全国の発達障害者の雇用の後押しになるように、発達障害がある子どもたちを対象にしたキャリア教育を確立し、その取り組みを広めていきたいと考えています。

お問い合わせはこちら