バンブーだより 12月号 学園長コラム ~可能性のとびら~②

2012年12月13日

自然学園でお預かりしているお子様たちは、
非定型自閉症傾向の子どもたちが多くなっているように思います。
自閉症スペクトラム傾向の特色が強く出ていながら、
学習障害やAD/HD(注意欠陥多動症候群)の特徴的な
傾向もみられる子どもたちが
非定型自閉症傾向のひとつの特徴といえるでしょう。
そのような子どもたちにもいろいろなタイプがあって、
情報の処理の仕方や認知の特徴の違いによって
教え方や教材の選択がちがってきます。
たとえば、視覚的な空間の認知が得意で、
画像で全体像をイメージする能力があるタイプは、
画像処理が得意で頭の回転が良く、
いくつもの情報が同時に処理できることが多いと言えます。
視覚的な言語能力に長けているタイプは、
一つずつ順番に論理的に物事を処理できるので、
数学が得意で、抽象的な理解に優れ、
記憶することが得意なタイプが多いため、
試験などを比較的得意にしている人が多いと思われます。
また、このタイプの中には、行動が遅く、
同時処理が苦手で不器用な人が多いため、
実際より能力が低くみられてしまう傾向にあります。
精神科医で作家の岡田尊司さんは、
「発達障害と呼ばないで」という本の中で、
先のタイプを視覚空間型と呼んでいます。
本から学ぶことが苦手で、手や体を動かして実際に学ぶことが
得意なタイプであると書いています。
読字障害や算数障害などが伴っているケースが多く、
視覚的、映像的なイメージだけではなく、
体感的なイメージ、味覚、触覚的なイメージ、
音楽的なイメージが豊かな人など、
イメージで思考するタイプの人が多いようです。
学習においても、抽象的な記号や文字を見ただけでは、
それらが言葉と結びつかず、頭に残らないが、
感覚的に刺激的な方法を用いると、
急に興味親しみがわき、頭に入ってくる。
しかし、注意が散漫になりやすいタイプも多いため、
学習時には聞く、読むだけではなく、手を動かしたり、
自分でやってみる要素を入れていくこと。
実際に具体的に理解する作業を取り入れて、
体験的に理解するように努めることが大切だと言っています。
たとえば、算数・数学はできるだけ設定を
具体的で現実的なものにして、こんな方法を使えば現実的に、
問題がこんなふうに解決するんだよ、という
課題の提示の仕方を工夫するといいとも言っています。
文字を覚えるにも、文字を粘土で作って、
それに触れて形を味わせることが興味を
掻き立て学習を容易にすると記述されています。
 
後のタイプは、視覚言語型と言って情緒的、
社会的発達は幼いと思われることが多く、
話し言葉の発達も緩慢で状況に応じて
適切な会話をすることが苦手な人が多いようです。
しかし、抽象的な言葉や記号に親近感を感じ、
数学や数式、記号と言ったもので表現された世界に魅力を感じる。
コミュニケーションは苦手で、
読書や勉強で知識を得ることがむしろ救いになり、逃げ場になる。
理詰めで議論したり、相手を説得したり、
説明したりするのは得意であると記述されています。
自然学園が、今まで取り組んできた、
生徒のアセスメントの結果分析を、
非常にわかりやすく解説されている内容なので、
一部要約して引用させていただきました。
バンブーだより 12月号 学園長ブログ ~可能性のとびら~より
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