中学部:中学部通信新春号 学園長ブログ~可能性のとびら~-4

2025年12月30日

4,特別支援教育を必要としている通常級や支援学級在籍生徒と不登校の関係性について

(1)発達障害の子どもたちが不登校に至る経緯

①知的には高いがことばの遅れがある

勉強はできるのに、思ったことがすぐに言葉として出ない。最後まで話しを聞かず行動してしまい場違いな発言をする。→いじられたり、馬鹿にされたりしやすい→ストレスが溜まりイライラしやすい。不安感が強くなる→意欲の低下に繋がる→行き渋りが起きる

②認知発達の凸凹がある事によって、授業中にノートを取る事が苦手で板書を消されてしまう。また、先生の質問にすぐに答えられない。音読の読み間違いが多い。授業がわからない訳ではないのに先生に注意される事が多い。クラスメートからできない子と思われてしまう。自分に自信がなくなり授業に出たくなくなる。→宿題をきちんとやらないと気がすまない性格なのに「読み・書き」が苦手な事によって宿題が締め切りまでに出せない。自分はできない子と思い込み現状から逃げ出したくなる→気持ちが沈み鬱になる

③コミュニケーションができない事によって分からないことを相談できない。また、わからない事を分かったつもりで行動してしまう。→集団での行動に遅れがちになり、先生やクラスメートからの反感を買いやすくなる。→ことばが苦手な子は、クラスメートと口論や指摘を受けると暴力によって訴える事がある。→乱暴な子とレッテルを貼られクラスメートから一歩引かれてしまう。→クラスに居場所がなくなり孤立してしまう。

(2)発達障害の子どもの不登校を防ぐには

①子どものありのままを理解する

先入観ではなく、できない事の実態の解明に努める。→行動観察や知能検査(各種の発達検査)でのアセスメントなどを参考に個別の学習支援計画をつくる→「読み・書く」などの苦手さの改善を強要するのではなく、どうしたら、苦手さから解放されるかを配慮して具体的な対策を提案する。→できる環境やできる課題を提示する事で、できた事実を作り出す。できた事を認めほめることで意欲を引き出す。→スモールステップによってできる課題が多くなる事で苦手分野の克服に繋げる→無理をさせず、時間を割いて答えを待つ→ワーキングメモリの弱さによって思い浮かんだアイデアが整理出来ず答えに導くことが出来ない。知識を補うワークシートや計算式などの手順書を確認しながら答えの導き方を演習中で習得する→できる環境を整えてあげながら、次のステップに繋げる成功体験を積み上げる。

②認知の凸凹からくる指示の入りにくさに対して、つまずきを補う指示の出し方(構造化)を心がけ、いきなりの一斉の指示を避けて次の行動を前もって説明する。

③問題行動に繋がる言動に対して、ロールプレイなどを通じてまわりの反応を理解させ、問題行動に繋がらない具体的な行動ができるようにSST(ソーシャル・スキル・トレーニング)の指導を実践する。

(3)実際に不登校になった子どもに対して

①「子どもの気持ちや子どもが判断した結論を優先し受け入れる」

学校に行きたくないのではなく、「行けない」気持ちを理解してあげる気持ちが大切です。不登校の理由を明確にするより、今まで我慢し続けた精神的な負担や環境に適応できないストレスが限界に到達した結論と考えます。その理由から、迅速に解決を図ろうとしても逆効果になる可能性が高いです。暫く見守り、気持ちの回復や次に動き出すタイミングを待つことが大切です。

②「本人の行きたくないという意思をまずは受け止めてあげる」

学校と連携を図ることや支援機関に協力を仰ぐことは、大切ですが、まず子どもの話をなるべく優先的に聞いてあげることに時間を割く必要があります。本人の気持ちや不登校に至った理由を聞くことより、子どもが現状でどうしたいかを実現してあげることが大切です。

③「復学を急ぎすぎると本人の負担が大きくなる」

不登校の理由が明確な場合は学校側と話し合いを行い、復学しやすい環境を整え、合理的な配慮を求めることが大切です。無理をさせて登校させる必要はありません。時間をかけて登校できるきっかけを探ってください。2次的な障害がある場合は医療機関との連携が大切です。

④「本人のプライドを尊重して対処する」

発達障害傾向の子どもは、自己肯定感が低いにもかかわらず自己評価が高く、どの子どもも高いプライドを持ち合わせています。まわりの子どもに登校の誘いを持ちかけたり、声掛けを頼んだり、人前で登校を強要するようなことは避けなければなりません。自分の意志で登校することの決断を支援する状況でないとうまくいかないことが多いと思います。

教育機会確保法が成立してからは、学校以外のフリースクールをはじめとした様々な支援機関があり、それらは現在第3ステージと呼ばれ、不登校の子どもたちの居場所としての役割だけではなく、学校以外の学習の場としても認められているので不登校になった子どもたちはためらうことなくこのような学びの場を利用することを選択肢にしている状況があり、無理をして登校する選択肢を選ばなくなったことも統計上の不登校生徒の増加に拍車をかけている要因であるように思います。現在発達障害の子どもたちの支援も、このような第3ステージと呼ばれる支援機関との連携は非常に重要視されるようになってきており、それらの機関によって救われた子どもたちが多く存在するようになっています。

自然学園の生徒の皆さんも、放課後等デイサービスなどを利用して、放課後の利用としてさまざまなサービスを受けている生徒が多くなりました。趣味のパソコンや、ゲームのプログラムなどを教えるサービスも提供しているところもあり、高等部の卒業生には、好きなことに取り組むことでパソコンの技術が向上し、就労実習でその技術が認められて採用に結び付いた生徒もいます。

 

 

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