高等部:高等部通信3月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-3

2026年3月12日

3、認知の歪みを改善するには…(問題行動を減らし、社会性を育む取り組み)

人の行動は、その人が不安やストレスを感じた際にふと考える思いがその人の感動に大きな影響を与えると考えられています。何かを否定的に考える人の行動は人を傷つけたり、やらなければいけないことから逃げたりして、人に迷惑をかける問題行動に繋がるケースが多いのです。

いじめの例で言うと、誰かをいじめなければ必ず自分がいじめられてしまうという考えや今までのいじめられた経験から、クラスの友達と仲良くなる未来より、自分が阻害されるような否定的な未来が待ち受けていることをから確信してしまうような考えは、認知(人の考えや信念)の誤りに起因しています。認知の誤りが日常的になり、常同化してしまうとその誤りは発達の歪みとなり、草木の根のように深く根ざし、問題行動が頻発します。その誤りを突き止め、そこから派生する問題行動を少なくするために行動規範を正し、意識的に規制できるようにする働きかけを認知行動療法といい、認知の誤りを改善していく治療として用いられています。医療機関や福祉施設、学校での特別支援教育などでプログラムされているSST(ソーシャルスキルトレーニング)などで多く取り入れられています。

不安な気持ちを改善するにはどうしたらよいでしょう。それは自分自身に自信をつけることが一番有効な方法になります。ASD(自閉スペクトラム症)、ADHDの傾向がある人たちは自己評価が高く、自分の欠点を素直に認められないことから、自分に自信がないことを隠しながら「嘘をつく」「ごまかす」「報告しない」または「人のせいにして相手を攻撃する」などの誤学習が身に付いてしまっている人がいます。そういう人ほど周りから見ると「なぜあんなに自信がもてるのか」という疑問や「根拠のない自信」「謙虚さがない」など周りから反発を買う人も少なくありません。誤学習の背景には自分自身のコンプレックスや自信の無さが起因している人たちがほとんどです。

自分自身には自分でも気付かない良いところ、悪いところ、できること、できないことがあります。できることの中には、自分では気付いていないだけで他の誰よりも優れているところや、他の人にはできないことなのにできることもあるのです。そのことに気付かせてあげること、できることを褒めてあげてもっとできるようにしてあげること、そして、なるべく多くの成功事例を積み重ねることで「できる」という実感を植え付けていくことが自己肯定感の高さにつながります。それは『自信』となります。人間関係も、自分に自信があれば自尊心が高まり、心にゆとりが生まれてきます。心のゆとりは、他者を許し、他者の要求や気持ちを、自分の主張より優先させてあげる気持ちのゆとりや心の大きさにつながっていきます。それができれば必ず人間関係が今よりうまくいくようになるでしょう。クラスでもお友達が多くなり、自分を助けてくれたり、認めてくれたりする人たちが多くなり、充実した学校生活を送れるようになるでしょう。そのことは将来の就労するためのスキルと直結するのです。

自然学園高等部では、将来的な就労や企業での就労実習に役立つための「感覚統合、作業訓練やSST」などのプログラムを授業として提供しています。具体的な対応を学ぶことで、学校生活の場面でもほめられることが多くなり、うまく人とつながることの積極性が生まれてくるはずです。自信が持てるようになることが社会性の向上に繋がる何よりも優れた特効薬です。そのことは人とのつながりや学校生活における不安や緊張を緩和することにも効果を発揮するでしょう。

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